蟹あんかけチャーハンと自炊のコスパ

昔アドリブで作った蟹あんかけチャーハンがめちゃくちゃ美味しかった。

 

新卒で入った会社は食品会社で、よくサンプル品の余りが手に入った。季節ものは一通りサンプルを取って感想や売り方を共有する場があって、「料理人としてこの商品だったら何作る?」と少し茶化されながら上司から質問を受けたりした。その時挙げる料理の趣味が妙に合いすぎるのが直属の上司で、会社近くに住む後輩くん宅で無茶ぶり料理会が開かれたりしていた。

 

今思うと、そんなこともしながら友人とも飲みに行き、ラーメンも食べるみたいな生活をよく送っていたな…と思うのだけれども、無茶ぶり料理会はそれなりの頻度で開催されていて、今は昔で時の流れをひしひしと感じる。

 

そんな機会もあってか、たまに自宅でも自炊していた。大学時代は自炊習慣と無縁の生活で、大学とアルバイト先の往復。一日の半分はアルバイト先にいる生活だったので、やっぱり自炊なんてたまに気合いを入れてやっていたくらいの特別なイベントであった。

 

自宅での自炊は、やっぱり無駄にクオリティの高いものにする意識で作っていた。レシピはそれこそクックパッドで調べていたものなのに、盛り付けとか光の入り方とか素人男なりにこだわって写真を撮っていたように思う。ローソンでポイントを集めてもらえるスヌーピーの皿をわざわざ使うのは自分なりのトレードマークにして写真を撮っていた。投稿されたインスタにはいまだにその形跡が残っていて、やっぱりちょっと面白い。

 

そんなことをしていたいつかの昼、残った米と卵とねぎ、サンプルのズワイガニフレークとベニズワイガニフレークを使って作った蟹あんかけチャーハンが美味しかった。工夫とはいえば、蟹の風味はフレークでしっかりでるから、餡とチャーハン部分は塩分控えめの味付けにしたことくらい。卵の火の通し方も、餡のとろみとカニの風味も絶妙で、もう一食分を食していた姉も、「なにこれ」と絶句していた。後にも先にも他人を絶句させられた料理はあれくらいだったかもしれない。

 

 

自炊のコスパについて、SNSで話題になっていたが、一汁三菜とかメニューのマンネリ化などに目をつむれば、それなりにコスパをよくできるというのが持論。比較対象が半額総菜とかジャパニーズファストフードで笑ってしまったが、それなりに値上がりしている一般的な外食店などと比較すると、ウデ次第でクオリティの出せる自炊はやっぱりそれなりにコスパを良くすることができると思う。

 

もちろんそれなりに料理を楽しめないとキツいし継続も必要なのだけれども、外食・インスタント食品なども織り交ぜながら続けられるとよかろうと思う。もちろん、蟹あんかけチャーハンは本来コスパは良くないけどね。