青春が終わって、そして始まった 後

前は↓です。順を追って書きたかったので書いただけで、そんなに読む必要はないです(笑)

 

mori-memento.hatenablog.com

 

 モラトリアム真っ只中にNUMBER GIRLに出会った僕は、どっぷり浸かっていくわけですが、浸かり始めて分かったことがありました。僕の辿った音楽的変遷はNUMBER GIRLの影響を受けた人たちが多くいること。CDを貸し借りする友人と一緒に浪人することで出会えたこと。彼らは解散して別々のバンドとして活動していること。そして、解散ライブは札幌でしたこと。

 

今だから思うんです。出会うべくして出会ったのだなと。浪人していなければ、高校受験に失敗していなければ、なんだかんだグレていたら。たらればを反芻して、別の出会い方もしていたかもしれないとは思うんですが、きっと「コレ」ではないなと俺には全てが透き通ってみえるんです。今だから。

 

 そんな出会いから10年、去る2020年1月19日日曜日。再結成したNUMBER GIRLと再びだけれども初めて出会うことが出来ました。

 

落ちてる映像も、今では擦り切れることは無いけれど、擦り切れるくらい観て、友人にシェアしてもらった記録シリーズも何度も聴いて。緑の金沢が凄いとか、1の2個目の水色革命がヤバいとか。当時は浪人生という浮遊した存在で、向き合わなきゃならないものからの逃避だったのかもしれないけれど、確かに熱は帯びた会話で。それを思い出したりしました。ライブの出だしは現実だという実感が無くて、しかし脳髄と全身に爆音は浴びさせられていて、ステージの上では少し歳を召した4人がいる。現実と理解した時は少し泣きました。いや、1曲まるまる泣いていた気もします。

 

ドラムソロの出囃子にも泣きました。ラストライブ以来初めてサッポロに響いたのでしょう。その時、ふと繋がった気がしたんです。解散から18年を経て、NUMBER GIRLの解散を惜しんだ人、解散してから出会った人、多くの人を魅了して止まない彼らがまたサッポロで爆音を鳴り響かせたんです。そして、一個人の思い出も走馬燈のように駆け巡ったんです。待っていたけれど、お待たせしすぎたなんてことは無かったと思うんです。奇跡のようなひと時だったに違いないんです。

 

 僕は今年で29歳で、もう青春なんて年齢でもない気は凄くしているわけです。世の中の酸いも甘いも何となく分かった気になっていて、「じゃあこれからどうするか」なんて一丁前に考える年頃なわけです。

 

何かのインタビューで向井さんは「NUMBER GIRLは青春だった。」と言っていました。奇しくも、NUMBER GIRLの解散時と今の僕は同年代。奇跡なようなひと時を経て、僕にとっても青春だったんだなあと強く感じることが出来ています。しかし、NUMBER GIRLが再び動き出した今、また僕の青春が始まった、そんな気がするんです。再び出会うことができた今だから。