青春が終わって、そして始まった 前

 少し昔の話をしたいと思います。

 

 高校受験に華々しく失敗し、区を跨いだ私立の高校へ通うことになった僕が、環境と生活の変化にそれなりに翻弄されいた頃の話です。部活動で野球をしなくなり、雑なお勉強では太刀打ちできなくなり、悪いお友達とも会わなくなったりしながら、友人もそれなりに出来て「高校生活」に順応しだした頃です。

 

ちょうどその頃は、MDプレイヤーからMP3プレイヤーへの過渡期でした。私立ということもあって多少裕福な家庭の子が多いからなのか、MP3プレイヤーの普及率が高かった印象があります。多分に漏れず僕もお年玉かなんかで手に入れてどっつり曲を持ち歩いて通学するようになっていました。iPod classic、ピンボールができるやつでした。ニコニコ動画とかから保存したり、TSUTAYAでCDを借りたりして、ひたすらiPodに貯めていくんです。その時の気分に合わせて片手で曲を切り替えることが出来る。当時は非常に画期的でした。

 

 バンプとJ POPをカラオケで歌うために一生懸命聴いていた中学時代から、大きく音楽との向き合い方が変わったのもこの頃でした。Base Ball Bearを友人からCDを借りて、所謂「ロキノン系」を好んで聴くようになっていったと思います。月光グリーン、藍坊主、フジファブリックとか。で、サカナクション凛として時雨、ミッシェルガンエレファントと今でも聴くようなバンドに巡り合って。僕らの世代は誰しも通る、エルレとかラッドとかアジカンとか9ミリはさらっとしか通りませんでした。

 

 そして、この頃から友人間でCDを貸し借りする文化は出来上がっていました。ブックオフに参考書を漁りに行く文化も出来上がっていて、その時にCDも買ったりなんなりで沼にしっかりとハマっていくわけです。

 

 そんな3年間を勉強に漬けられながら過ごし、大学受験に華々しく失敗し、区を跨いだサッポロの街のど真ん中にある予備校に通うことになった頃の前後に、ついに出会うことになりました。振り返ってみると、学生かそうでないか一目では判断がつかん頃に、青春っぽいおそらく青春に出会いました。僕はこうしてNUMBER GIRLと出会いました。

 

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