モチベーション

いつからだろう、健やかなるときも病めるときも、会社に属する以上仕事というものは延々と続いていて、そのことに向き合うためにコンディションやモチベーションといった自身の内なる要素に左右されたくなくなった。その結果、「モチベーションで仕事をしない」ことを信条に"ぎようむにじゆうじ"してきたが、その根幹が揺らいでいる。

 

その業務に従事する理由というべきか、すごく抽象的で端的な言い方をすると自分がその業務をしたいと思う理由というべきか、仕事に向き合う上で大事にしていた根幹が揺らぐ出来事が今年の後半に起こった。

 

新たに与えられた業務では、個人として自分と向き合って奮い立たせ続ける必要があって、数々の自問自答による最適化で、すっかり家に籠って一人で業務に従事するようになった。そうなってくると信条として掲げていた「モチベーションで仕事をしない」ことは難しかった。

 

それでもモチベーションに左右されて成果を揺るがすのは非効率で自分のためにならないと思い、目の前の業務と自分に向き合い続け、落ち込んでいた実績は徐々に回復するに至ったのが師走の始め。なんとか首の皮一枚でつながったというべきか、もうつながっていないのに悪あがきをしたというべきか。ただ、その代償で個人主義をこじらせている感覚がある。怠惰な自分にとってのモチベーションに左右されず成果を残そうとする最適な行動は、たぶんきっと自分の健康を害している。"一人"でいる以上、画面でつながった他のメンバーには悪影響を与えていないと思うけれど。

 

年を納め切らずそれでいて2日を費やす必要もない残務を鑑みてとった休日の朝、いつも通りの時間に起きて、いつも通りシャワーで自分を叩き起こす。無理やりに起こされた脳で悟った。休日なのか仕事の日なのか、おぼろげだ。

 

2か月浸り続けた地獄のぬるま湯は、アイタイとした未来への予感とほのかな厭世観を少しずつ大きくさせたと実感させていた。「モチベーションで仕事をしない」という信条を達成できたのか、はたまた無意識下でどこかに追いやったのかは、もうわからない。ただただ焦燥に駆られる師走の暮れ、午前中から途方に暮れている。