ほんの少しのことなのに

キッチンに食器が溜まると、今日の食事が終わったら全部片づけようという意識になる。その夜、本当になんとなく外食なんてしたものだったら、永遠にキッチンが片付かず、その次の日も自炊の意欲がなくなる。

 

少しまとまった文章を書かないといけない連絡は、時間があるときに回しがちだ。落ち着いて書かないとまとまらないし、少し気の利いた言葉も添えたいのならなおさらだ。他の人の予定に影響が出るものなら、早い連絡をするのに越したことはないのに、連絡が遅れているのが他人にわかっていない事柄なら、少し自分のペースで連絡したってなにも変わらない。

 

前日に昼には外出しようと決めていて、起床が遅くなって、天気も悪かった時には、外出する気持ちに大きなブレーキがかかる。思ったほど寒くもなくて、家に引きこもっているより外に出たほうが気分転換になるのに、かかったブレーキをエンジンブレーキみたいにして、家でのんびりする気分転換を選ぶ。1か月くらい続いている生活なのだから、大きな気分転換になることはない。

 

ここまでのんびり過ごしていると、意を決して転職活動をするタイミングにも躊躇する。と、いうことで。昨夜寝る前にエージェントに登録してみたところ、洪水みたいにエージェントと企業からメールが来た。選択された項目に合致する人がいれば自動でメールを送る仕組み。登録した早朝4時に届くスカウト、「今すぐでなくてもいい」「お話だけでもOK」のような当たり障りのないメール、企業名や人の名前が間違っているテンプレート。みんなはじめの一歩は二の足を踏むんだといわんばかりのオートメーション化だ。

 

とんでもない量が来るスカウトに自己肯定感が上がる気配を感じたが、これだけ大量に来ると今の売り手市場を憂う気持ちで思い留まれる。人材会社の鉄則として、登録したての人を捕まえる初動が大事なのだろう。唾をつけとく、e-sports的に言うとファーストブラッドというやつなのかもしれない。三度目の正直に望む身としては、四の五の言わずに突き進むのではなく、じっくりじっくり進めるようにしよう。

 

ほんの少しの意欲でもって、行動するだけでこんなに物事が大きく動くのだ。アクセルとブレーキを上手く使っていきながら、限られた時間の中で納得いく形で進んでいきたい。