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吹きすさぶ雪と遠くから聞こえる雷鳴を感じながら、生まれ故郷の雪のある生活を思い出す。明るくなる前の冷え込んだ朝、雪のおかげでうっすら明るい夜、水気を含んだ空気と匂い、積もった雪の温かさ。雪の止んだ翌朝、人や車の通ったあとの湿り気を帯びた轍をただなんとなく歩いて、最寄りのスーパーに向かう。久しぶりに比較的まともなコンディションでまともな時間に外出できたからであろうに、雪で重荷が降ろされたみたいな感覚で澄んで見える空を仰いだ。

 

2つのしがらみから解放されたら少し気が軽くなった。

 

1つは、午前中を有意義に使うことを諦めたこと。禁煙と違って多分その気になれば朝型に戻せるだろうと、気の赴くままに生活することにした。好きなタイミングで本を読み、好きなタイミングでアニメや映画を見ている。これだけ自由な時間があると、12話くらいのアニメを一気見することもわけない。通常通り社会生活を営んでいたらきっと手を付けていなかった作品に巡り合えている感覚がある。やっぱり自分にとっても、世の中の人にとっても、もっと時間って必要なのではないかと感じる。

 

もう1つは、オートローンが気付けば完済間近だったこと。未だ返してたの!?と今の状況で!?と2つの意味で”こんなタイミング”なわけだが、あと1年くらいある感覚だったので、自分としては嬉しい誤算だった。耐え忍んだ感覚が凄い。ホント、後は今後の俺の行く末密かに暗示してくれ~といった面持ちだ。

 

そんなこんなもあり、有り余る時間でこしらえた九州魚介とんこつラーメンを作った。スープと麺はできあい。とはいえ、出来は上々。脂身が少し重くて、胃に何かがもたれかかっている感覚があるけれど、今はなんだか今日の空気みたいに清々しい。