ちゃんと怒られる

良い年の取り方をしているなと感じる人は、「ちゃんと怒られる」をしている。怒られ方を知っているというか、怒られたらどうしたいいかを知っているというか。

 

インタビューとか動画とかで、「いっつもこれで妻に怒られるんですよ。ダメってわかっちゃいるんだけどね~」とおちゃらけるシーンを一度は目にしたことがあると思う。酒とかタバコとかギャンブルとか依存性の高いものでこれを言う人はそんなに信用しなでいいと思うが、服の脱ぎっぱなしとかモノの言い方とかなんだか憎めないもので言う人は、なんとなく好感が持てる。そういう人って良い年の取り方をしているなと感じる。

 

反省してそうというのと愛嬌があるのはもちろんそうなんだけれど、ギブアンドテイクがしっかりしていると感じていて。その埋め合わせをするために、ちょっと過剰なギブを迷惑かけた側にしている感じなんですよね。それができる理由はおそらく心の余裕なんだけれど、そういう人にひとまずなりたいなと思う。

 

 

一方で、怒る人になる場合も、相手に「ちゃんと怒られる」余地を残して怒りたいものだ。感情的になるのはもちろんダメで、その場合は感情を抑える動きを相手にしてもらわないといけなくなる。かといって、平静を装って怒るのも恐怖心って煽られるものだし、結局は怒られた側が委縮しない怒られ方ができるのが一番なのだと思う。

 

・ちゃんと怒ってますよのポーズ

・次からどうすんのさの提示

・解決しましたよの区切り

この3つがあれば、最低限相手が委縮しないで怒られられると思うのだが、どうだろうか。

 

先ずは、ちゃんと怒ってますよのポーズ。これは、怒られる側に急に怒られる状態を避けるためフェーズ。どこがトリガーになったかわからないけれど、急に怒る人っているよね。あれなんなんだろうととても思う。

 

次に、つぎからどうすんのさの提示。事実を双方理解したうえで相手に自省を促すフェーズだ。これをすっとばすと怒った意味がない。いや、感情のはけ口としての意味はなしているから、怒られる側の怒られた意味がないのかもしれない。

 

最後に、解決しましたよの区切り。これがないと、いつまでも怒っている人と思われかねない。いったん区切りをつけて、自省に基づいて行動してみてねのスタートの合図でもあると思う。

 

最後のこれが身の回りで一番上手だなと思ったのが、手伝っている居酒屋のオーナー。重用されて久しいので怒られることなんてそんなになかったしないのだけれど、日々のコンディションの変化とかに敏感で、「今日あかん日やん!」って時は、なんかしら指摘してくれる。それがありがたかった記憶がある。

 

とりあえず、どれも抜けちゃうとダメな要素だと思うけれど、怒られる側の心構えのほうが難しいんだよなあと書ききって思った。理不尽に怒られる体験と、ちゃんと苦汁を舐めて怒られる体験と、ちゃんとキッチリ怒られる体験をしないと耐性はつかないし怒られる体制にはなれないと思う。