OPとEDが良い意味で合ってない作品ってあるよね。

 『虚構推理』が面白い。という記事を書こうと思っていたら、「面白かった」という記事を書かなきゃならなくなりました。

 

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 城平京さん作の小説が原作で、漫画やアニメになってまして、今回はアニメを1クール分拝聴しました。暇を持て余した僕は、ついに重い身体と腰を上げて一気見に興じました。元来、一気見ってリピートの類ではないと、「作品を消費する」行為だと勝手に思っていて、その消費する行為って僕自身一番是としてないんですね。まあ、サブスクで一気見してる金落としてない分際で何を宣ってるんだってのはありますが、脱線した持論です。ちなみに、ここまで早口で言ってます。

 

んでまあ、内容をさらっと浚うと、妖怪の類のそれと契約した女の子が、その類のモヤモヤとか人類とのちょっとした不和とかを、それらと関係ある事柄をきっかけに不死身になっちゃった男の子と少々大げさに解決していくお話です。搔い摘むとこんな感じです。ここのあらすじ説明が一番苦手です。

 

 そして、話のキモとなるのは、物語の解決の仕方が、推理して相手を納得させるところ。しかも、虚構のです。なんてったって妖怪とかの類に関する推理ですから、なんでもありなわけで、物理的に~とか現実的に~とかでの否定は成り立たないわけです。いわゆる悪魔の証明が成り立っているシチュエーションで、妖の類と人間との双方の利になるような調和を持った落としどころに帰結させるわけです。虚構でもって。

 

見始めるにあたって、妖怪モノと推理モノの掛け合わさり方なんかを想像するに、少しほんわかゆるっとしたオムニバス形式のものなのかなと思っていたんですけれど、全然そんなことは無い骨太な推理モノでした。オムニバスの「ニ」の字も無い。オムくらいは感じました。構成の妙で。

 

 

 また、作中において、現代社会を風刺する意図も匂わせる「想像力の怪物」なる、云わば生霊のような概念が登場して、いっきに頭にも心にも負荷をかけてきたことが印象的でした。

 

今世の中に蔓延っているアホの振りかざす正義も、それは振りかざされなくても分かるほど自明だよねって悪も、現世で誰一人として経験したことない状況が起因で、まるで妖の類に混乱させられてるのかな、なんて思わされたりもしました。混乱する世の中に、「まあまあ、一旦落ち着いて」と割って入って、終いには誰も不幸にしない虚構で体裁は整ってるなんて状況があればいいのになあ。琴子ちゃんがいたら世の中は平和になるのになあと。

 

 有り余る時間と、全然働かせていない脳とを使うのに、大変丁度良い作品でした。

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